長男は1歳のとき、療育手帳で最重度にあたる区分でした。4歳で軽度に変わりました。
そのとき私が最初に考えたのは、「手当はどうなる?療育園は?」でした。
この記事では、全国共通の制度を並べ直しました。手がかりにしたのは、軽度になって消えたもの・残ったものです。
まずはここだけ
いつ:療育手帳を受け取ったとき。再判定で区分が変わったときも、もう一度
対象:知的障害のある子(軽度〜最重度)。使えるものは区分で変わる
どこで:制度ごとに違う。迷ったら、市区町村の障害福祉の窓口
制度の一覧
| 区分 | 制度名 | 内容のポイント |
|---|---|---|
| 重・軽 | 療育のサービス | 児童発達支援など。受給者証が要る |
| 重・軽 | 3〜5歳の利用料 | 満3歳後の4月から3年間無料 |
| 重・軽 | 障害児相談支援 | 市区町村が求めたら、療育の計画を作る |
| 重・軽 | 障害者のマル優 | 元本350万円まで利子が非課税 |
| 重・軽 | 心身障害者扶養共済 | 保護者の死亡などで子に一生年金 |
| 重・軽 | NHK受信料 | 非課税世帯なら全額免除 |
| 重・軽 | 飛行機の割引(ANA) | 本人と介護者1人 |
| 重・軽 | 国立西洋美術館 | 本人と付き添い1人が無料 |
| 重・軽 | 障害者控除 | 引ける額は重度のほうが大きい |
| 重・軽 | JRの運賃割引 | 割引の範囲は重度のほうが広い |
| 重・軽 | 特定贈与信託 | 非課税の上限は重度のほうが高い |
| 重のみ | 有料道路の割引 | 本人以外が運転し、本人が乗る |
| 重のみ | 青い鳥郵便はがき | 1人20枚。郵便局で申し込む |
| 手帳と別 | 特別児童扶養手当 | 手帳とは別に1級か2級を判定 |
| 手帳と別 | 障害児福祉手当 | 常に介護が必要な状態の子 |
| 手帳と別 | 自立支援医療(育成医療) | 体の障害の手術などの医療費 |
| 手帳と別 | 居宅訪問型児童発達支援 | 外出がとても難しい子の家で療育 |
| 手帳と別 | 障害児入所施設 | 入所して生活の支援(医療型は治療も) |
| 手帳と別 | 障害基礎年金 | 20歳で1級か2級なら受けられる |
| 手帳と別 | 特別障害者手当 | 20歳以上で、常に特別な介護が必要 |
| 手帳と別 | 成年後見制度 | お金の管理や契約などを支える |
| 市区町村が決める | 居宅介護・短期入所 | 家での介護と、短い期間の入所 |
| 地域で違う | 医療費の助成・タクシー券など | 住んでいる場所の窓口で確かめる |
表の「重」は重度、「軽」は中度・軽度のことです。
手帳の区分の呼び方は、自治体で違います。
この記事では、重いほうの区分(最重度を含む)を「重度」と書きます。それ以外は「中度・軽度」です。
軽度でも、重度と同じように使えるもの
うちは、療育手帳を今もあらゆる所で使っています。
| 制度 | だれが・何が |
|---|---|
| 療育のサービス | 区分に関係なく使える |
| 3〜5歳の利用料 | 満3歳後の4月から3年間無料 |
| 障害者のマル優 | 元本350万円まで利子が非課税 |
| 心身障害者扶養共済 | 保護者の死亡などで子に一生年金 |
| NHK受信料 | 非課税世帯なら全額免除 |
| 飛行機の割引(ANA) | 本人と介護者1人 |
| 国立西洋美術館 | 本人と付き添い1人が無料 |
どれも、手帳の区分で中身は変わりません。
- マル優:最初に預ける日までに、金融機関へ申告書を出す
- 扶養共済:年金は1口で月2万円。入るのは保護者で、年齢と健康に条件あり
- ANA:子が座席を使わない幼児なら、介護者は対象外
- ほかの航空会社・施設:会社や施設ごとに違う
療育のサービスは、児童発達支援・保育所等訪問支援・放課後等デイサービスです。
通うには、受給者証が要ります。
軽度でも使えるが、中身が小さくなるもの
手帳の運賃割引の欄に「第1種」とあれば、JRでは重度の扱いです。有料道路の割引の対象にもなります。
「第2種」なら、JRでは中度・軽度の扱いです。
障害者控除
| 区分 | 引ける額(所得税/住民税) |
|---|---|
| 中度・軽度 | 27万円/26万円 |
| 重度 | 40万円/30万円 |
| 重度で同居 | 75万円/53万円 |
中度・軽度は「障害者」、重度は「特別障害者」として引きます。
16歳未満の子でも使えます。年末調整で申告できます。
JRの運賃割引
| 区分 | 割引の決まり |
|---|---|
| 中度・軽度 | 本人だけで片道100km超のとき |
| 重度・付き添いあり | 距離に関係なく、本人と付き添い |
| 重度・本人だけ | 片道100km超のとき |
| 12歳未満の子 | 付き添いの人の定期券も割引 |
重度で付き添いと一緒なら、距離に関係なく割引になります。
ほかの鉄道の割引は、会社ごとに違います。
特定贈与信託
| 区分 | 贈与税がかからない上限 |
|---|---|
| 中度・軽度 | 3,000万円 |
| 重度 | 6,000万円 |
上限は、重度のほうが高くなります。
軽度では使えないもの(重度の区分だけ)
うちは4歳で軽度に変わり、車の減税と高速料金の半額が使えなくなりました。
| 制度 | だれが・何が |
|---|---|
| 有料道路の割引 | 本人以外が運転し、本人が乗る |
| 青い鳥郵便はがき | 1人20枚。郵便局で申し込む |
有料道路の割引と青い鳥郵便はがきは、知的障害では重度だけが対象です。
自動車の税の減免は、条件が住んでいる場所で違います(下の「住んでいる場所で違うもの」)。
青い鳥郵便はがきの2026年の申し込みは、4月1日〜6月1日でした。
手当と年金は、手帳の区分とは別に決まります
特別児童扶養手当は、軽度に変わって減額になりました。それでも、今も受けています。
障害児福祉手当は、最初は受けていましたが、今は受けていません。
| 制度 | だれが・何が |
|---|---|
| 特別児童扶養手当 | 手帳とは別に1級か2級を判定 |
| 障害児福祉手当 | 常に介護が必要な状態の子 |
| 居宅介護・短期入所 | 使えるかは市区町村が決める |
2つの手当は、手帳の区分とは別の基準で決まります。
特別児童扶養手当は、受けている間は毎年、所得状況届を出します。期間を8月12日〜9月11日と案内している自治体があります。
2つの手当の条件は、それぞれの記事で詳しく書いています。
大人になってからのこと
| 制度 | だれが・何が |
|---|---|
| 2つの手当 | どちらも20歳未満まで |
| 障害基礎年金 | 20歳で1級か2級なら受けられる |
| 特別障害者手当 | 20歳以上で、常に特別な介護が必要な人 |
| 成年後見制度 | お金の管理や契約などを支える |
障害児福祉手当は、20歳で特別障害者手当に自動では切り替わりません。受けたいときは、改めて手続きがいります。
障害基礎年金のこの受け方は、20歳前に初診日がある場合です。
成年後見制度は、知的障害などで判断する力が十分でない人のための制度です。法定後見と任意後見があります。
住んでいる場所で違うもの
制度をまとめて教えてくれた人は、私にはいませんでした。
市からもらったパンフレットで、いろいろ知りました。
役所の人が「次はこれ、次はこれ」と順番に教えてくれたので、そこまで損はしていないと思います。
調べ始めた人に1つすすめるなら、私は「役所の人に聞けば良い」と思っています。
自治体によっては、こんな制度もあります。お住まいの窓口で確認しましょう。
- 医療費の助成
- タクシー券・タクシーの割引
- 日中一時支援・移動支援
- 日常生活用具
- 自動車の税の減免
- 水道料金
- 公共施設などの割引
- 駐車禁止の除外
- 都道府県や市区町村の独自の手当
窓口で聞くこと
・この子が使える、市(区・町・村)独自の手当や助成はありますか?
・医療費の助成やタクシー券は、うちの子も対象になりますか?
・療育手帳の次の再判定は、いつごろですか?
・再判定で区分が変わったら、使えなくなるものはありますか?
・この子の手帳の区分で、有料道路の割引や青い鳥郵便はがきは使えますか?
あのとき考えた「手当はどうなる?療育園は?」の答えは、うちではこうでした。
特別児童扶養手当は減っても続き、療育は4〜5歳も児童発達支援に通いました。
あわせて読みたい
・療育手帳とは?申請の流れと、取るか迷ったときの判断
手帳の申請の流れと、取るか迷ったときに考えることが分かります。
・療育手帳の判定当日は何をする?申請の流れと待ち時間
区分が決まる判定の日に、何をするのかが分かります。
・特別児童扶養手当の申請方法|必要書類と診断書のもらい方
手当の申請に要る書類と、診断書のもらい方が分かります。
参考にした情報
・こども家庭庁「就学前障害児の発達支援の無償化について」(2026年10月2日確認)
・児童福祉法(e-Gov法令検索)(2026年10月2日確認)
・厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」(2026年10月14日確認)
・厚生労働省「障害児通所支援の制度概要等」(2026年10月14日確認)
・こども家庭庁「障害児入所施設について」(2026年10月14日確認)
・厚生労働省(自立支援医療(育成医療)の案内)(2026年10月14日確認)
・国税庁「No.1313 障害者等に対する少額貯蓄非課税制度(マル優)」(2026年10月2日確認)
・国税庁「障害者と税」(令和8年度版)(2026年10月2日確認)
・福祉医療機構「しょうがい共済制度のごあんない」(2026年10月3日確認)
・NHK受信料の窓口「免除基準」(2026年10月3日確認)
・ANA(障害者の割引運賃の案内)(2026年10月2日確認)
・国立西洋美術館「障害者の方へのご案内」(2026年10月2日確認)
・横浜市「JRの運賃割引」(2026年10月9日確認)
・JR東日本「知的障害者旅客運賃割引規則」(2026年10月3日確認)
・国税庁「No.1160 障害者控除」(2026年10月2日・10月9日確認)
・新宿区「住民税の障害者控除・非課税」(2026年10月2日確認)
・信託協会「特定贈与信託」(2026年10月2日確認)
・NEXCO西日本(有料道路の障害者割引の案内)(2026年10月2日確認)
・日本郵便「2026年 青い鳥郵便葉書の無償配布について」(2026年10月2日確認)
・厚生労働省「特別児童扶養手当について」(2026年10月2日確認)
・厚生労働省「障害児福祉手当について」(2026年10月2日確認)
・厚生労働省「特別障害者手当について」(2026年10月2日確認)
・横浜市「特別児童扶養手当」(2026年10月2日確認)
・神戸市「障害児福祉手当」(2026年10月2日確認)
・日本年金機構「障害年金ガイド 令和8年度版」(2026年10月2日確認)
・法務省「成年後見制度について」(2026年10月3日確認)
この記事の情報は、2026年10月2日〜10月14日に確かめたものです(出典ごとの確認日は上のとおり)。