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療育手帳とは?申請の流れと、取るか迷ったときの判断

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「療育手帳、取ったほうがいいですよ」って言われたけど…。

取ったら、この子の将来が決まってしまう気がして、手が止まります。

その気持ち、私もまったく同じでした。

取ってから9年経ったいま、実際に何が変わったかをお伝えしますね。


目次

まず結論から

手帳を取っても、進学や就職で不利になる仕組みはありません

等級は動きます。「重度」がその子の一生を決めるわけではありませんでした

返納できます。一度取ったら二度と戻れない、というものではありません

3つめは、私が一番早く知りたかったことです。

知っていたら、迷っていたあの期間は、もう少し軽かったと思います。


30秒でわかる早見表

📗 何の手帳?知的障害があると判定された人に交付される手帳
👦 だれが対象?児童相談所などで判定を受けた人(年齢の下限なし)
🏢 どこに行く?市区町村の障害福祉課 → 児童相談所で判定
💰 お金はかかる?申請自体は無料
どのくらいかかる?うちは予約から判定まで約3か月
🔄 ずっと同じ?期限があり、判定で等級が変わることがあります

※運用は自治体によって大きく違います。必ずお住まいの窓口でご確認ください。

この記事では、「うちは取るべきなのか」を判断できるところまでお伝えします。

実際の申請の流れと、判定当日に何をするかは、後編で詳しく書きます。


うちの9年を、先に表にしました

制度の説明の前に、うちがどう動いてきたかを出しておきます。

読み進めるかどうかを、ここで決めていただければと思います。

時期出来事
生後2日染色体異常と知的障害の告知を受ける
生後〜1歳療育手帳の存在を知る。取るかどうか迷う
1歳窓口に相談し、判定の予約を取る
予約後判定日まで約3か月待つ
1歳(判定日)児童相談所で判定。所要時間は約1時間
1歳最重度と判定され、手帳を取得
手帳の取得後児童発達支援を探し始める
4歳2回目の判定。軽度に変わる
6〜7歳3回目の判定。軽度のまま
9歳(現在)特別支援学校の小学3年生

判定は、これまでおよそ3年おきに受けてきました。

1歳で最重度だった子が、4歳の判定で軽度になっています。

何がそうさせたのかは、正直、分かりません。

でも、等級は動くことがあるということは、事実として書いておきたいと思いました。


療育手帳とは?調べても情報がバラバラな理由

療育手帳は、知的障害があると判定された人に交付される手帳です。

障害者手帳には3種類あります。

手帳対象根拠
身体障害者手帳身体障害身体障害者福祉法
精神障害者保健福祉手帳精神障害精神保健福祉法
療育手帳知的障害法律ではなく、国の通知

ここが、最初に知っておくと後がラクになるところです。

療育手帳だけ、根拠となる法律がありません。

国の「通知」に基づいて、各自治体が独自に運用しています。

だから、こういうことが起こります。

  • 名前が違う(東京都は「愛の手帳」など、独自の呼び名がある地域があります)
  • 等級の区分が違う
  • 判定の基準が違う
  • 更新の間隔が違う

「調べても書いてあることがバラバラで混乱する」と感じたことがある方へ。

それは、あなたの調べ方が悪いわけじゃありません。制度そのものがバラバラなんです。

この「バラバラ問題」については、この記事の後半で書きます。


正直に書きます。私は最初、取りたくありませんでした

💬 正直に書きます。

私は療育手帳を、すんなり申請したわけではありません。

手帳を取ることが、「この子には障害があります」と自分の口で認めることのように感じていました。

診断は、もう受けていたんです。

生後2日目に、医師からはっきり告げられていました。

それなのに、自分から役所に行って、書類を書いて、判定を受けて、手帳をもらう。

その一連の行為が、診断を受けることとは全く別の重さを持っているように思えました。

診断は、されるものです。

でも申請は、自分でするものなんです。

そこに、どうしても足が止まりました。

「まだ1歳なのに」

「もう少し様子を見てからでもいいんじゃないか」

そう思っていた時期が、確かにありました。

いまなら、あの時間が何だったのか分かります。

私は、様子を見たかったわけじゃありませんでした。

認めたくなかっただけです。

そして、それは母親として失格なことではなかったと、いまは思っています。


うちの子は対象になる?判定の基準

対象になるのは、児童相談所または知的障害者更生相談所で、知的障害があると判定された人です。

年齢判定する場所
18歳未満児童相談所
18歳以上知的障害者更生相談所

うちは1歳だったので、児童相談所でした。

IQの数字だけで決まるわけではありません

判定では、知能指数だけを見るわけではありません。

こういったことも含めて、総合的に判断されます。

  • ✔️ 日常生活をどれくらい一人で送れるか
  • ✔️ どんな場面で困りごとがあるか
  • ✔️ どのくらい支援が必要か

このあたりも自治体によって基準に幅があります。

だから「IQいくつなら取れる」という数字を、ネットの情報だけで信じないほうがいいと思っています。

うちの長男は、1歳のときの判定で最重度にあたる区分でした。

そこから4歳の判定で、軽度に変わっています。


取ってよかったこと、正直しんどかったこと

多くの記事に「療育手帳にデメリットはありません」と書いてあります。

私は、そこまでは言い切れません。

正直な話を書きます。

取ってよかったこと

一番大きかったのは、受けられる支援の入口になったことです。

  • 福祉サービスの申請
  • 各種手当
  • 税の控除
  • 公共交通機関の割引

こういったものの多くで、手帳の提示が必要になります。

そして、これは意外だったんですけど。

水族館も、動物園も、手帳があればお得に行けるんです。

これを知ったとき、私の中で何かが切り替わりました。

「よし、この手帳、使い倒してやろう」

深刻に抱えるのをやめて、「制度」として実用的に扱えるようになった瞬間だったと思います。

このあたりから、「うちの子、実は障害児なんだよねー」と、軽い調子で話せるようになってきました。

正直しんどかったこと

手続きの手間は、あります。

申請、判定、更新、再判定。

そのたびに書類を書いて、予約を取って、時間を作る必要があります。

働いている方には、これは軽くない負担だと思います。

それから、祖父母への説明です。

うちは、両家の祖父母に伝えるタイミングと言い方を、ずいぶん考えました。

これは長くなるので、別の記事に書きます。


よくある質問

Q. 療育手帳を取ると、進学や就職で不利になりますか?

うちは取得から9年経ちましたが、手帳を持っていることで長男が何かを失った場面は、いまのところ一度もありません。

進路を決めるときに判断材料になったのは、就学相談と発達検査の結果が中心でした。手帳を持っているから支援学校になった、というわけではありません。就職についても、むしろ障害者雇用という選択肢を持てるのは、手帳がある場合です。

Q. 手帳を持っていることが、周りに知られますか?

自分から見せない限り、他人に伝わることはありません。役所から学校や職場に勝手に通知が行くこともありません。うちがいま隠していないのは、私が自分で話しているからです。

Q. 一度取ったら、返せませんか?

返納できます。 状況が変わったときに返すことができます。

私はこれを知ったのが、だいぶ後になってからでした。最初に知りたかったです。

Q. 軽度の知的障害でも取得できますか?

取得できます。多くの自治体で、軽度にあたる区分が設けられています。

うちの長男も、いまは軽度のまま手帳を持ち続けています。

ただし、軽度や境界域の場合は、判定の結果が自治体によって変わる可能性がより高くなります。 制度の基準そのものが自治体ごとに違うからです。

Q. 取得しない、という選択はありますか?

あります。取得は任意で、義務ではありません。

そして、手帳がなくても受けられる支援があります。 児童発達支援や放課後等デイサービスは、「障害児通所受給者証」という別の証明で利用できます。

正直に書くと、私はこれを知りませんでした。手帳が先で、療育が後。その順番しかないと思い込んでいました。

Q. 医師の診断書は必要ですか?

うちの場合、当日持って行ったのは母子健康手帳でした。診断書を出した記憶はありません。

療育手帳の判定は、児童相談所などが直接行います。

そのため、身体障害者手帳のように「指定医の診断書が必須」というかたちではない自治体もあるようです。

ここは扱いが違う部分なので、必ず窓口で確認してください。

Q. 更新はありますか?

多くの自治体で、認定に期限があります。うちはおよそ3年おきに判定を受けてきました。

このとき等級が変わることがあります。 期限はカレンダーにメモしておくと安心です。


療育手帳の判定基準を、全国で揃える動きがあります

記事の最初に、療育手帳には法律の根拠がなく、自治体ごとにバラバラだと書きました。

この「バラバラ問題」を解消しようという動きが、実際に進んでいます。

いま分かっていること(事実)

厚生労働科学研究として、ABIT-CVという評価ツールの開発と標準化が進められています。

知的機能と適応行動の両方を評価するもので、児童相談所などでの実装試験も行われてきました。

判定基準の統一化については、こども家庭庁の児童相談所長会議でも進捗が報告されています。

目的として挙げられているのは、こういったことです。

  • 引っ越しで等級が変わったり、サービスが受けられなくなる不利益をなくす
  • 自治体ごとの判定業務の負担を減らす
  • 将来的に、制度をきちんと位置づける

まだ決まっていないこと(重要)

⚠️ いつから、どの自治体で、どう変わるのかは、まだ公表されていません。

私が確認できた範囲では、資料にもこう書かれています。

具体的な統一の方向が定まらないうちは、具体的な影響の整理は難しい

つまり、「近いうちに全国一斉に変わる」と断定できる段階ではありません。

ネット上には時期を書いている記事もありますが、一次情報で確認できるまでは、そのまま信じないほうがいいと思っています。

それでも、いま私がやっていること

💬 正直に書きます。

一つだけ、気になっていることがあります。

基準がはっきりすることで、境界域や軽度の子が対象から外れるのではないかという懸念が指摘されています。

うちの長男は、いま軽度です。

1歳のときは最重度でした。

もしいま、新しい基準で判定を受けたら、どうなるんだろう。

そう考えることが、正直あります。

うちの判定は、およそ3年おきに来ています。前回が小学校に上がる前でしたから、次はそう遠くありません。

だからいま、私がやっていることは一つだけです。

判定通知、検査結果、診断書。これまでの書類を、一箇所にまとめておくこと。

次の更新のときも、もし制度が変わったときも、過去の記録があるかないかで話が全然違ってくると思うからです。

制度のニュースは、遠い話に見えます。

でも、更新のたびに一喜一憂するのは、私たちです。


まとめ|今週やることは3つだけ

① 市区町村の障害福祉課に、電話する

「療育手帳のことを聞きたいんですけど」

この一言で通じます。

申請すると決めていなくて大丈夫です。 私も決めていませんでした。

② 「予約はどれくらい先まで埋まっていますか」と聞く

これだけは、必ず聞いてください。

うちは予約から判定まで、約3か月かかりました。

迷っている時間と、予約を入れて待っている時間は、進み方が同じです。

私は先に迷って、それから予約して、そこからまた3か月待ちました。

③ 決められないまま、日程だけ押さえる

私が9年前にやったことの中で、いちばん意味があったのは、これでした。

決意してから予約したわけではありません。

決められないまま、日程だけ押さえた。それだけでした。


手帳を申請することは、この子の何かを決めてしまうことではありませんでした。

取っても、この子は何も変わりませんでした。

変わったのは、使える制度が増えたことと、水族館に安く行けるようになったことくらいです。

いまはまだ、決められなくて大丈夫です。

この記事が、何かのヒントに繋がれば幸いです。


📎 次に読むと、迷いが減ります

判定の日、実際に何をするのか。うちの場合を1時間ぶん、そのまま書きました。

👉 [療育手帳の判定当日は何をする?申請の流れと待ち時間](※近日公開)


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📄 参考にした情報

・こども家庭庁「療育手帳に係る判定基準統一化の検討進捗報告」(令和6年度全国児童相談所長会議資料)/2026年8月18日確認

・厚生労働科学研究成果データベース「療育手帳の交付判定及び知的障害に関する専門的な支援等に資する知的能力・適応行動の評価手法の開発のための研究」/2026年8月18日確認

※この記事は2026年8月18日時点の情報です。療育手帳の運用(名称・等級・判定基準・更新間隔)は自治体によって異なります。最終的な内容は、必ずお住まいの窓口でご確認ください。

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